「親の年金でやればいいじゃん」——家族の誤解から始まったすれ違い
ある日の夜、家族会議で弟が言った。
「大変なのは分かるけどさ、まずは親の年金でやるのが筋じゃない?」
私は父の介護費用を自分の貯金から補っていたが、弟には響かない。
「兄貴がちゃんと聞き出せてないだけでしょ」
父は昔気質で、年金や貯金の額をあまり教えてくれない。
家族の間で板挟みになり、孤独感で胸が張り裂けそうだった。
「良かれと思ってやったのに」——空回りする善意と孤独
介護が始まると、お金の話は避けられない。
でも、その一歩目を間違えると、すべてが悪い方向に転がる。
私がハマった“3つの罠”を紹介しよう。
罠①:「とりあえず立て替え」という名の自己満足
「親に金の心配はさせられない」と、毎月の不足分を自分の貯金から出していた。
しかし、それは誰にも感謝されない、ただの自己満足だった。
親は「息子に負担をかけている」と負い目を感じ、
弟は「兄貴がやってくれてるから大丈夫」と問題を直視しなくなる。
📘 制度の裏側ミニ解説
介護保険でカバーされるのは、主に「介護サービスの費用」です(訪問介護、通所、福祉用具など)。
一方で、日々の生活にかかる費用——おむつや補助食品、通院の交通費、付き添いによる収入減など——はほとんど補われません。
まずは「何にどれだけかかっているか」をリスト化するのが重要です。
罠②:感情的な「なんで分かってくれないんだ!」
貯金が底をつきかけ、ついに爆発した。
「こっちは毎月カツカツなんだよ! 少しは協力しろよ!」
弟からすれば、突然の「金の無心」にしか聞こえず、兄弟関係は急速に冷え込んだ。
🌸 現場からのそっとメモ
怒りの背景には疲労・恐れ・孤独感があります。
話し合いでは、まず「事実(数字)」、次に「感情(不安・疲労)」を順番に出すことで、相手が受け止めやすくなります。
罠③:親の「プライド」という名の壁
父に何度も「お金の話をさせてほしい」と頼んでも、返ってくるのは「大丈夫だ」の一言だけ。
📘 制度の裏側ミニ解説
高齢者の多くは「人に迷惑をかけたくない」という心理があります。
そのため、聞き方や関わり方を少し変えるだけで、情報が出やすくなることがあります。
「戦う相手は兄弟じゃない」
介護経験者の先輩が言った。
「戦う相手を間違えちゃダメだよ。君たち家族の共通の敵は、“介護費用”という正体不明のオバケなんだ。」
この言葉で目が覚め、弟と戦うのをやめた。
そして、“オバケの正体”を暴くための「武器」を作ることにした。
家族を救った「3つの武器」
🧾 武器①:共通の敵を丸裸にする『介護費用 見える化シート』
介護にかかる費用をすべて書き出す。
おむつ代、病院のタクシー代、栄養補助食品…。
在宅と施設の費用も比較。
事実だけを淡々とリスト化する。
これが家族を動かす第一歩になる。
🤝 武器②:親のプライドを守った「魔法の質問」
父にはこう切り出した。
「もしもの時に手続きができるように、年金や保険のことを“教えてほしい”んじゃなくて、”記録させてほしい”んだ。」
「管理したい」ではなく「記録係をさせてほしい」。
このスタンスが、父の心を少しずつ開いた。
🌸 現場からのそっとメモ
- 本人の尊厳を守る
- 家族の負担を軽くする
- 年金口座・保険・医師連絡先を一緒に整理する
🤝 武器③:弟との再交渉で使った「たった一つのルール」
弟にこう言った。
「金を出してほしいんじゃない。
まず、この“見える化シート”を一緒に見てほしい。」
ルールは一つ:「シートを見ながら、事実についてだけ話す」
感情論が消えたことで、弟も初めて「これは他人事じゃない」と気づいた。
「兄貴、ごめん」から始まった、本当の家族会議
シートを見た弟はポツリと言った。
「こんなにかかってるなんて知らなかった。兄貴一人に背負わせて悪かった。」
お金の話は、家族を壊す爆弾じゃない
正しく向き合えば、家族をつなぎ直すきっかけになる。
■ 同じように悩んでいるあなたへ
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兄弟が協力してくれない
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親がお金の話をしてくれない
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自分ばかり負担している
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感情がぶつかってしまう
そんなとき、
あなたが悪いわけではありません。
家族の衝突の多くは
「見えない」から起きています。
“見える化”をすれば、関係は少しずつ変わっていきます。
📘 現場からのそっとメモ
数字で見えるようにするだけで、感情のすれ違いが減るケースは本当に多いです。
■ 介護と家族トラブルで悩んでいる方へ
一度、状況を一緒に整理してみませんか?
あなたの負担を軽くする方法を一緒に考えます。
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(あなたのペースで大丈夫です)