「このまま仕事を続けていけるだろうか。」

親の介護が始まったとき、多くの人がそう感じます。介護と仕事を両立しようと頑張っても、急な呼び出し、睡眠不足、職場への申し訳なさ——じわじわと積み重なるうちに、「もう辞めるしかないかもしれない」という気持ちに追い詰められてしまう。

でも、少し立ち止まって考えてみてください。

介護離職は、「辞めた後」の問題も大きい。収入がなくなる、キャリアが途切れる、社会とのつながりが薄れる。そして何より、介護が長期化したとき、仕事を辞めたことが孤立と疲弊をさらに深める結果になることがあります。

この記事では、「介護を理由に仕事を辞めてしまう前に、できることがある」という視点から、介護離職を防ぐための具体的な方法をお伝えします。

介護離職はなぜ起きるのか

厚生労働省の調査によると、年間約10万人が介護を理由に仕事を辞めています(「介護離職」)。その背景には、主に以下のような事情があります。

  • 職場に介護のことを言い出せない
  • 制度(介護休業・介護休暇など)があることを知らない、または使い方がわからない
  • 上司や同僚に迷惑をかけていると感じてしまう
  • 「自分がそばにいなければ」という責任感が強すぎる
  • 介護サービスをどう使えばいいか、相談できる場所がわからない

これらに共通するのは、「情報がない」「相談できない」という孤立感です。介護離職は、体力の限界よりも、孤立の限界で起きることが少なくありません。

介護離職を防ぐ5つの方法

介護休業・介護休暇制度を正しく知る

「介護のために仕事を休める制度がある」と知っていても、「自分は対象なのか」「どう申請すればいいのか」がわからないまま使わずにいる人は多くいます。

介護休業(介護休業法に基づく)は、要介護状態の家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できます。この期間は雇用保険から「介護休業給付金」として賃金の一定割合が支給されるため、収入が完全にゼロになるわけではありません。

また、介護休暇は年5日(対象家族が2人以上の場合は10日)を1日単位または時間単位で取得できます。通院の付き添いや急な呼び出し対応など、単発のケアに使いやすい制度です。

制度の詳細は会社の就業規則や担当部署に確認するのが確実ですが、「そもそも制度があることを知らなかった」という方も多いため、まずは情報を持つことが第一歩です。

上司に「今の状況」を伝える

職場に言いづらい、迷惑をかけたくない——その気持ちは理解できます。しかし、何も伝えないままでは、職場側も「何が起きているか」を把握できません。

すべてを打ち明ける必要はありません。「親の介護が必要な状況になりつつある」「急な対応が必要になることがある」という事実を、シンプルに伝えるだけでも変わります。

伝える際のポイントとしては、「何を相談したいのか(制度を使いたい、勤務時間を一時的に調整したいなど)」を事前に整理しておくと、話がスムーズになります。「どう伝えたらいいかわからない」という方は、キャリアコンサルタントや外部の支援者に相談しながら準備することも有効な手段です。

地域の介護サービスを積極的に使う

「家族が介護するのが当たり前」という意識が、介護離職を引き起こす大きな要因の一つです。しかし、介護保険サービスは、「家族の代わりにプロに一部をお願いする」ためにあります。

ヘルパーの訪問介護、デイサービス、ショートステイ——こうしたサービスをうまく組み合わせることで、日中は仕事に集中できる時間をつくることができます。

まず、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談してみましょう。介護認定の申請手続きから、どんなサービスが使えるかのアドバイスまで、無料で対応しています。

「ひとりで抱えない」体制をつくる

介護は、始まると長期戦になることがほとんどです。最初の数カ月は気力で乗り越えられても、1年、2年と続くなかで限界を迎えるケースが多く見られます。

だからこそ、最初から「ひとりで全部やる」体制にしないことが重要です。

兄弟・姉妹との役割分担、遠方であれば金銭的な負担の分担、地域サービスの活用——「頼れる仕組み」を最初から設計しておくことが、長期的な継続につながります。

⑤ キャリアと介護、両方を視野に入れた相談をする

「介護の相談」と「仕事・キャリアの相談」を、別々に考えていませんか。実は、両方をあわせて整理できる支援者に相談することが、最も効果的な解決策につながることがあります。

介護の現状・職場の状況・自分の気持ち——これらを一緒に整理することで、「今すぐ辞めなくてもいい選択肢」が見えてくることがあります。

「辞めてしまう前」が一番大事なタイミング

介護離職を経験した方の多くが、後から「もう少し早く相談しておけばよかった」と語ります。

辞めた後では、再就職への道のりが長くなる場合もある。収入が途絶えることで介護費用の工面も難しくなる。社会とのつながりが薄れ、孤立感が増す——このような連鎖を防ぐためにも、「限界になる前に、相談する」ことが大切です。

「まだ大丈夫だろう」と思っているうちに、動いてみましょう。

「辞めてしまう前」が一番大事なタイミング

介護離職を経験した方の多くが、後から「もう少し早く相談しておけばよかった」と語ります。

辞めた後では、再就職への道のりが長くなる場合もある。収入が途絶えることで介護費用の工面も難しくなる。社会とのつながりが薄れ、孤立感が増す——このような連鎖を防ぐためにも、「限界になる前に、相談する」ことが大切です。

「まだ大丈夫だろう」と思っているうちに、動いてほしいのです。

合同会社ENTAKUができること

合同会社ENTAKUは、介護と仕事の間で揺れているあなたに、福祉とキャリアの両方の視点から寄り添う支援を行っています。

「職場に何と伝えればいいかわからない」「制度のことを整理したい」「このまま続けていいのか、辞めるべきか迷っている」——そんな、どこに相談していいかわからない気持ちを、いっしょに整理するところから始めます。

一人ひとりの状況やご希望に合わせて、柔軟にサポートします。相談は面談形式で行っており、まずは気軽にお問い合わせください。

まとめ

介護離職を防ぐためにできることは、思っているよりたくさんあります。

  • 介護休業・介護休暇の制度を知ること
  • 職場に状況を伝えること
  • 地域の介護サービスを活用すること
  • ひとりで抱えない体制をつくること
  • 介護とキャリアを両方相談できる人を見つけること

「もう辞めるしかないかも」と感じたとき、それはサインです。限界になる前に、まず一度、話せる場所を探してください。

合同会社ENTAKUは、そのための入口として、いつでもお待ちしています。

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