介護の問題は、最初は家庭の中で起こります。
親の変化に気づき、
家族の中で役割が決まり、
日々の生活の中で調整が始まる。
しかし、介護は家庭の中だけで完結するものではありません。
仕事や収入、社会との関係とつながったとき、
別の問題が見えてきます。
1|家庭の中では整理できても、外では通用しない
家庭の中では、
- 誰が通院に付き添うか
- 誰が日常の対応をするか
といった調整が行われます。
この段階では、家族の話し合いと役割分担で対応できることもあります。
しかし仕事と重なったとき、
- 突然の休みや早退が必要になる
- 定期的な通院や手続きが発生する
- 予定通りに動けない日が増える
といった変化が起きます。
家庭の中で成立していた調整が、そのまま職場では通用しない場面が出てきます。
2|「介護」ではなく「職場環境」が影響する場合がある
厚生労働省の調査(令和3年度)では、仕事を続けられない理由として、
- 勤務先の両立支援制度の問題や利用しづらい雰囲気(52.3%)
が挙げられています。
これは、
- 介護保険サービスの利用方法がわからない、または利用できない(33.1%)
- 介護が必要な家族の希望による負担(29.4%)
といった理由を上回る結果でした。
このことから、介護と仕事の両立には、家庭内の問題だけでなく、職場環境が大きく関係していることが分かります。
3|制度があっても使えるとは限らない
介護休業制度や介護休暇制度は、法律で整備されています。
しかし同じ調査では、
- 制度が整備されていない
- 制度があっても利用しづらい雰囲気がある
- 代替要員がいない
といった理由により、実際には制度が活用されにくい状況も示されています。
制度の存在と、実際の運用には差があります。
4|家庭と職場の間で起きるズレ
介護が始まると、
家庭では「支える側」、職場では「働く人」としての役割が求められます。
その中で、
- 家庭では対応しているのに、仕事では理解されにくい
- 職場に合わせると、家庭での対応が追いつかない
といったズレが生じることがあります。
このズレは、個人の努力だけで解消できるものではありません。
まとめ
介護は家庭の中で始まりますが、仕事とつながったときに別の課題が現れます。
家庭では整理できていたことが、職場では通用しない。
制度はあっても、使えるとは限らない。
その中で、家庭と仕事の間にズレが生まれていきます。
このズレは、一人で考え続けていると見えにくくなることがあります。
いま起きていることが、家庭の問題なのか、仕事との関係なのか、それとも制度の問題なのか。
一度立ち止まって整理することで、見えてくるものが変わることがあります。
そうした整理が必要なときには、第三者に状況を言葉にしていくという関わり方もあります。
詳しくは、プロフィールの相談ページでご案内しています。