はじめに:家族間の介護負担が偏る
「実家から一番近いのは私だからやるしかない」「遠方の兄弟はたまに顔を出すだけで、何も分かってくれない」――こう感じたことはありませんか?
家族間の介護負担の格差は、実は 物理的距離や情報の見え方の違い から生まれます。
本記事では、近くに住むあなたに負担が集中する理由と、日々の介護負担を軽くする具体策をご紹介します。

1. 「近くにいるから仕方ない」と思われがちな介護

1-1. 物理的距離が介護の中心を決める現実

親や要介護者の近くに住む子どもが介護の中心になるのは自然なことです。緊急時の対応や通院付き添い、介護サービスの調整など、近い方が動きやすいという理由があります。しかし「近くにいるから」というだけで負担が一人に偏る場合もあります。

事例:Aさん(40代・会社員)のケース
Aさんは実家から電車30分。兄は新幹線で2時間、妹は海外在住。母親が要介護2と認定されて以降、Aさんが介護の中心を担っています。
平日は仕事後に実家へ立ち寄り、週末はほぼ実家で過ごす日々。母の急な体調変化で病院に付き添った際、兄に連絡しても「遠いからすぐには行けない」と返答。Aさんは孤独感と不公平感で涙が止まらなかったと話します。

1-2. 「見えない介護」と情報の格差

食事・排泄・入浴・服薬管理・金銭管理・精神的ケアなど、日々の介護は遠方の家族には見えにくいものです。その結果、「近くにいる人がやっているから大丈夫」と思われがちで、負担の偏りが進みます。

2. 遠方家族とのコミュニケーション不足が負担を増やす

2-1. 連絡だけでは伝わらない介護の現状

離れて暮らす家族とは連絡が希薄になりやすく、電話やLINEだけでは介護の変化や疲労を十分に伝えられません。
Bさん(50代・自営業)は父親の介護を一人で担い、弟とのやり取りが「大変だね」で終わることが続き、連絡自体が負担になり孤独感が深まりました。

2-2. 介護への意識の違いが誤解を生む

遠方の家族は状況を客観的にしか把握できず、「まだ大丈夫」「施設に入れれば良い」といった考えを持つことがあります。この価値観の違いが、話し合いを難しくし、負担が集中する原因になります。

3. 介護負担を軽くする3つのステップ

Step1:介護状況を“見える化”する

メモや写真・動画で日々の介護を共有しましょう。視覚化することで、家族の理解が深まります。

Step2:“大変”より“お願い”で伝える

感情だけで訴えるのではなく、具体的な依頼を。「毎週水曜の通院付き添いを交代できますか?」など、相手ができることを明確にすると協力を得やすくなります。

Step3:外部支援を上手に活用する

地域包括支援センターやケアマネジャー、介護相談窓口、キャリアコンサルタントなど第三者の視点を取り入れることで、家族全体のバランスを整えやすくなります。

まとめ:あなたの“もやもや”は変化のサイン

「近くにいるから仕方ない」と抱え込む必要はありません。その“もやもや”は心が限界を知らせるサインです。
諦めずに「伝える」一歩を踏み出しましょう。小さな行動が、あなたと家族の関係を少しずつ変えていきます。

専門家メッセージ

元介護保険制度専門職としての経験を活かし、キャリアコンサルタントとして介護と仕事の両立を支援しています。
一人で抱え込まず、あなたに合った“現実的なバランス”を一緒に見つけていきましょう。

今日の小さな一歩

遠方の家族に「大変」ではなく「どんな協力が必要か」を具体的に伝えましょう。
小さな共有が家族の理解を育てる最初のきっかけになります。